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職人技・舞台裏 2026.06.22

夏の気温35度超でクリア塗装の品質が変わる理由——
一宮Poright代表が塗装ブース内の温度管理と夏場施工の全工程を解説

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炎天下の板金塗装工場でPoright代表 緒方が早朝にクリア塗装の準備をしている様子 — 夏場の温度管理と品質維持の現場

気温が35度を超えた日にクリア塗装を吹くと、仕上がりが目に見えて変わることがある。この事実を知っている消費者は多くありません。

先日、犬山市のオーナー様から「以前別の板金店で『夏は仕上がりが落ちるから秋まで待った方がいい』と言われた。Porightさんはどうですか?」というご相談をいただきました。

一宮の板金塗装専門店・株式会社Porightでは、夏の繁忙期も通年と変わらず施工を続けています。ただし「何も対策しなくていい」という話ではありません。夏場特有のリスクに対する具体的な工程管理があります。板金塗装一筋16年のPoright代表 緒方(1992年生・18歳から板金塗装一筋)が、夏の高温がクリア塗装に与える影響と、品質を維持するために日々行っている工程管理の全容を説明します。

夏の高温がクリア塗装に与える「ゆず肌」リスク

クリア塗料の調合現場 — 夏場のスローシンナー配合と硬化剤の計量作業。職人の手元と調合ビーカーのクローズアップ

「夏の施工は難しい」という話の根本は、クリア塗料の乾燥速度にあります。

クリア塗装は塗料を吹き付けた後、含まれる溶剤が蒸発しながら塗膜が形成される工程です。気温が高いほど溶剤の蒸発速度は速まります。適切な速度であれば塗面はなめらかに整いますが、速すぎると大きな問題が起きます。

最も頻繁に見られるのが「ゆず肌」と呼ばれる表面現象です。塗料が吹き付けられた瞬間から溶剤が急速に蒸発し始め、塗料が塗面全体に十分に流れる前に表面固化が始まります。結果として、レモンの皮のような細かい凹凸が残る仕上がりになります。

「気温20度と35度では、クリアの表面固化が始まるまでの時間が大きく変わります。特にパールやメタリック系のトップクリアは、この乾燥の『窓』が狭くなることが命取りになる。見た目ではなく、指でなぞったときのテクスチャーで差が出ます」——これはPoright代表 緒方が16年の現場で繰り返し経験してきた現実です。

加えて、炎天下では塗装ブース内の気温が外気をさらに上回ります。換気を止めた密閉空間では40度近くになることもあります。温度が上がれば上がるほど、クリアの乾燥速度は加速し、ゆず肌のリスクは高まります。

Poright代表 緒方が夏場に実践している3つの対策

塗装ブース内の温度計とPoright代表の作業スケジュール記録 — 夏季施工の品質チェックフロー

では、Porightではどのように夏場の品質を維持しているのか。代表の緒方が現場で積み重ねてきた具体的な対策を3つ公開します。

対策1 — 「朝一番施工」の原則

「6月末から8月のお盆前まで、クリア仕上げが必要な工程は午前8〜9時に始めるようにしています。一宮市でも午後になると外気温が34〜36度に達する日があります。早朝は28〜30度に抑えられるので、クリアの乾燥コントロールが格段に楽になる。職人の仕事は気温との戦いでもあります」(Poright代表 緒方)

早朝施工の最大のメリットは、クリア塗料が塗面に広がるための「時間」が確保できることです。気温が低い分、溶剤の蒸発が緩やかになり、塗料が自重でなめらかに流れて均一な塗膜が形成されやすくなります。

対策2 — 溶剤配合の季節調整

クリア塗料に混ぜる硬化剤と希釈溶剤の比率は、気温・湿度に応じて変えます。夏場は乾燥速度を遅らせる「遅乾性溶剤(スローシンナー)」の割合を増やし、塗面が整うための時間を確保します。

「配合の目安は塗料メーカーの資料にも記載がありますが、実際の比率は気温・湿度・ブース内の空気流量によって変わります。私が今の配合に落ち着くまでに数年かかりました。数字を覚えるより、吹いた瞬間の塗料の流れ方を目で見て判断する感覚が重要です」(板金塗装一筋16年のPoright代表)

対策3 — ブース環境に応じた工期の組み直し

真夏の午後に「今日はブース内が暑すぎる」と判断した場合、クリア工程を翌朝に回すことがあります。「工期が1日延びますが、お客様にご説明してご了承をいただきます。仕上がりのためであれば迷わず翌朝に判断を変えます。受けた仕事を妥協して終わらせることはしたくない」(Poright代表 緒方)

実例 — 江南市・アクア(MXPK11・パールホワイトII)リアバンパー修理

6月中旬、江南市のオーナー様からアクア(MXPK11)のリアバンパー修理をご依頼いただきました。入庫した日は最高気温34度の予報でした。Porightでは下地処理と板金修理を1日目の午前中に済ませ、調色と最終的なクリア吹き・仕上げポリッシュを2日目の早朝(7:30着工)に実施しました。

項目内容
車種トヨタ アクア(MXPK11)
カラーパールホワイトII(3コートパール)
症状リアバンパー右下コーナー部の凹みと擦り傷
施工内容バンパー修理・調色・クリア塗装・仕上げポリッシュ
工期2日(クリア工程を翌朝に分割)
費用¥38,000(税込)
依頼元江南市 個人オーナー様

3コートパールは白・パール・クリアの3層構造で、クリア層の均一性が最も仕上がりに影響します。気温が高い時間帯に無理してクリアを吹けばゆず肌になりかねない。工期を1日延ばして早朝にクリアを回した結果、境目のない均一な仕上がりになりました。

「夏に施工を断る」板金店と「引き受ける」専門店の差

「夏は仕上がりが落ちる」と説明する板金店には、2つの異なる事情があります。

ひとつは設備の問題です。塗装ブースの温度制御機能が限られている工場では、夏場のクリア品質を安定させることが技術的に難しくなります。設備投資をしていない工場が「夏は難しい」と言うのは、正直な説明でもあります。

もうひとつは工程管理の問題です。多くの台数を同時に抱えている工場では、「今日の気温が高いからクリアを明朝に回す」という柔軟な判断が難しくなります。スケジュールが詰まっていると、品質より工期を優先せざるを得ないケースがあります。

Porightはワンオペ体制のため、代表の緒方がその日の気温と仕上がりを見ながら工程を変えられます。「受けた台数が多くて工程を変えられない」という状況が発生しにくい構造です。「車一台ごとに丁寧に向き合える体制を守るために、意識的に受注台数を絞っています」(Poright代表 緒方)

愛知県一宮市で板金塗装を依頼するなら、夏場の施工体制を一度確認してみることをお勧めします。「いつクリアを吹きますか?」と聞くだけで、その工場の工程管理への向き合い方が見えてきます。

まとめ

夏場の板金塗装は確かに難しい季節です。ただし、適切な対策を持つ専門店であれば、品質を落とさずに施工できます。「夏だから」という理由でご相談をためらう必要はありません。

「夏でも品質が心配」「他の店で断られた」もまずご相談ください

LINEでお写真を送っていただくだけで、夏場の施工可否・工期の目安・概算費用をお伝えできます。お見積りはすべて無料。愛知県一宮市の板金塗装専門店Porightは、板金塗装一筋16年の代表 緒方が一台一台を直接担当します。「夏の施工は品質が心配」のご不安も、まずお気軽にご連絡ください。

株式会社Poright(愛知県一宮市平安1-6-2)/ 月〜土 9:00-19:00(日祝定休)

著者: 安藤(Poright 事務スタッフ) / 公開日: 2026年6月22日

監修: 株式会社Poright 代表 緒方 博紀(1992年生・18歳から板金塗装一筋、板金塗装歴16年)

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