「板金塗装って、そんなに日数がかかるんですか?」
Porightへの初回相談で、工期の長さに驚かれるお客様は少なくありません。「1日か2日くらいで終わると思っていた」というのが多くのお客様の感覚です。実際には、板金から塗装仕上げまでに8〜9の工程があり、乾燥・硬化時間を含めると1〜4日が標準的な工期になります。
板金塗装は「凹みを引っ張って色を塗る」だけではありません。金属の形を戻す板金工程から、塗装の密着を高める下地処理、正確な色を再現する調色、仕上げの磨きまで、複数の専門的な手順が連なっています。「工程を省略した施工」と「工程をすべて踏んだ施工」では、完成後の仕上がりと耐久性に大きな差が出ます。
Porightの職人・代表の緒方(板金塗装一筋16年)が、実際の現場で踏む工程を順に解説します。「なぜその工程が必要なのか」も合わせてお伝えします。
板金工程 — 凹みを元の形に戻すまで
板金塗装の作業は大きく「板金工程」と「塗装工程」の2段階に分かれます。まず板金工程から順に説明します。
修理箇所の周辺部品(バンパー・モール・ドアハンドル、場合によっては内張り)を外します。脱着をしないと凹みが隠れた部位に手が届かず、損傷の正確な把握もできません。この段階でフレーム(骨格)への影響の有無も確認します。「外してみて初めてわかる傷がある。入庫時より損傷が大きかった、というケースも珍しくありません」(Poright代表 緒方)
凹みの状態によって工法が変わります。塗装面に傷がなく、鉄板の伸びが少ない凹みには「デントリペア(PDR)」という工法が有効です。一方、深い凹みや割れ・塗装傷を伴う場合はスタッド溶接機や引き出しハンマーを使う通常板金が必要です。Poright代表 緒方は「引き出しはやり直しが難しい。プレスラインの曲線を一発で元に戻すことだけを考えています」と話します。
引き出しで戻しきれない微細な面歪みにポリエステルパテを薄く盛り、乾燥後に研磨して平滑な面を作ります。Poright代表 緒方が「この工程が塗装仕上がりの8割を決める」と話すほど重要です。厚盛りは後日クラックの原因になるため、薄く何回かに分けて盛るのが正しい手順です。パテの種類も凹みの深さや位置に応じて使い分けます。
パテ面の上からサフェーサー(プライマーサーフェーサー)を塗布します。塗装と下地の密着性を高め、錆止め機能も担う工程です。乾燥後に細かいペーパーで研磨し、上塗り塗装が乗るための「足付け」を作ります。ここの研磨精度が甘いと、仕上げのクリア層が早期に剥離するリスクがあります。
塗装工程 — 調色からクリア磨きまで
板金工程が完了したら、塗装工程に入ります。この工程でPoright代表 緒方の職人技が最も問われる場面が続きます。
車のカラーコードをもとに塗料を混合します。しかし、ここで終わりではありません。経年変化でボディ色は微妙に変わっているため、一宮の板金塗装専門店Porightでは3光源(自然光・蛍光灯・スポットLED)の下でボディと塗料を比べ、職人の目で配合を微調整します。「調色で時間を惜しむと、修理後に見る角度によって色が浮く。お客様が気づく前に自分が違和感を覚える仕上がりは出せません」(Poright代表 緒方)
塗装しない部位を養生テープと養生シートで保護します。ドアモール・ガラス縁・ゴム部品などの細かい境界が雑だと、塗料のはみ出しやぼかし剤の誤着といったトラブルになります。手間がかかる地味な工程ですが、仕上がりに直結します。
調色した塗料を2〜3層に分けてベースコートを仕上げ、その上に2段階(ベースクリア→中研ぎ→トップクリア)でクリアコートを塗布します。パール・メタリック系はベース→パールフレーク→ベースと順に塗り分けるため工程が増えます。Porightではクリア2段階仕上げを標準工程とし、これが塗膜の深みと耐久性の差になります。塗装後は乾燥ブースで十分な硬化時間を確保します。
完全に硬化したクリア面を細目のペーパーで水研ぎし、最後にポリッシャーで磨いて艶出しをします。部分塗装では「ぼかし際」の処理もこの段階で行います。磨きが甘いと塗装の境目が目立ちます。全工程を締めるこの磨きが、板金塗装の「顔」になります。
全工程を踏むと何日かかる? — 一宮市オデッセイRC1の実例
一宮市のお客様から、オデッセイ(RC1・2017年式)の修理をご依頼いただいた事例を紹介します。左リアドア中央部に縦15cmほどの凹みとドア後端に擦り傷があり、カラーはプレミアムホワイトパールII(3コートパール)。全工程が必要な典型的な案件でした。
| 日程 | 作業内容 |
|---|---|
| 1日目 午前 | ドア脱着・損傷確認 → 引き出し板金 |
| 1日目 午後 | パテ盛り × 2回・乾燥 |
| 2日目 午前 | パテ研磨 → サフェーサー塗布・乾燥・研磨 → 3光源調色 |
| 2日目 午後 | マスキング → ベースコート → パールコート → 1層目クリア → 乾燥ブース |
| 3日目 午前 | 中研ぎ → 2層目クリア(トップクリア)→ 乾燥ブース |
| 3日目 午後 | 水研ぎ → ポリッシング → ドア組み付け → 最終確認・納車 |
仕上がり料金: ¥52,000・工期3.5日
「プレミアムホワイトパールIIは調色しやすい部類ですが、光の当たり方で見え方が変わる色です。経年変化に合わせた配合の微調整に、2日目の午前中の大半を使いました」(板金塗装一筋16年のPoright代表 緒方)
工程の一部を省略すれば費用を下げることはできます。しかしパテの厚盛りは後日のクラック、クリア段数の削減は早期剥離、調色の省略は色浮きに、それぞれつながります。Porightでは「工程を省略しない」施工を一貫しています。
まとめ
- 板金塗装は①脱着・確認 → ②引き出し → ③パテ処理 → ④サフェーサー → ⑤調色 → ⑥マスキング → ⑦ベースコート・クリアコート → ⑧水研ぎ・磨きの8工程
- 各工程に乾燥・硬化時間が入るため、損傷の規模によって1〜4日の工期が必要になる
- パテの薄盛り・2段階クリア・3光源調色はどれも省略できない品質の根幹で、Porightはこれを全案件で実施している
- 梅雨の時期でも乾燥ブース内で施工するため、天候による品質への影響はない
愛知県一宮市の板金塗装専門店Porightでは、代表 緒方がすべての工程を手がけています。「工程が多くて複雑に感じるかもしれませんが、どの工程も次の工程の仕上がりを決めるために必要なものです。省ける工程は一つもありません」と緒方は言います。
工期や費用の目安、まずは無料でご相談ください
LINEで写真を送っていただければ、損傷の状態から工程数・工期・おおよその費用をPoright代表 緒方がお伝えします。「どのくらいかかるか見当もつかない」という方もお気軽にどうぞ。
Poright(株式会社Poright)愛知県一宮市平安1-6-2 / 月〜土 9:00-19:00(日祝定休)
著者: 安藤(Poright 事務スタッフ) / 公開日: 2026年6月12日
監修: 株式会社Poright 代表 緒方 博紀(1992年生・18歳から板金塗装一筋、板金塗装歴16年)