「修理してもらったのに、なんか艶が違う気がして……」というご相談を、一宮市の板金塗装専門店Porightには少なくない頻度でいただきます。色は隣のパネルとほぼ一致しているのに、光を当てると何か物足りない、浅い——そう感じる場合の多くは、クリア塗装の工程数と乾燥の組み方に原因があります。
「クリアは最後に吹く透明なコートだから、どこでやっても同じでしょ?」そう思われることも多いのですが、板金塗装一筋16年の代表 緒方に言わせると、むしろ逆です。あの「深みのある艶」を作っているのはクリア層の積み方と、その後の磨き工程にあるというのが現場の実感です。
この記事では、一宮市のPoright(ポライト)が実践している複層クリア工程の仕組みと、クリア1層と2層で仕上がりがどう変わるかを、カローラクロスの実例とともに解説します。
クリアが「薄い」と艶はどう変わるか
板金塗装の基本構造は「下地処理→カラー塗装→クリア塗装」の3段階です。このうちクリア塗装は透明なため「ただの保護コート」と見られがちですが、見た目の深みに対する貢献度は塗装工程の中でも特に大きい部分です。
光が車のボディに当たるとき、私たちが目にしているのは「ボディ表面で反射した光」だけではありません。クリア層を一度通り抜けてカラー層で反射し、また表面に戻ってくる光の束が重なることで、あの「奥から光っているような深み」が生まれます。クリアが薄いと光の通り道が浅くなり、反射が表面付近に集中します。結果として艶は平板に見えてしまいます。
新車ラインで焼き付け乾燥した塗膜では、クリア層が80〜120μm(マイクロメートル)程度あります。一方、工程を省いた1回塗りクリアでは30〜50μm程度にとどまることも現場では珍しくありません。この層の厚みの差が、光の屈折と反射の深さに直結しています。
「お客様が感じる違和感は大抵ここから来ます。色は合っているのにパネルの光り方が違う、という案件は板金の技術より仕上げ工程の問題が多い」と、18歳から板金塗装一筋の代表 緒方は話します。
Porightが実践する複層クリア工程の全貌
Porightの職人・代表の緒方が実践している複層クリアの工程は、段階ごとに明確な役割があります。
① ベースクリア(1回目)
薄く引いてカラー層を封じ込め、次のクリア層の密着下地を作ります。この段階では艶はほとんど出ていません。自然乾燥15〜20分後、赤外線ランプ(60℃・約20分)で強制乾燥します。
② 中研ぎ(色・面積による判断)
ベースクリアが完全に硬化したら、1500〜2000番の水ペーパーでごく薄く研ぎます。層間の密着が高まり、次のトップクリアとの一体感が増します。Poright代表 緒方(板金塗装一筋16年)は「面積の大きい修理やパール・メタリック系では中研ぎを入れると最終的な均一性が出やすい。ただし毎回入れるわけじゃなく、色と修理規模で判断する」と話します。
③ トップクリア(2回目)
厚みを確保しながら艶の土台を作る本番の工程です。ガン圧・希釈率・吹き付け距離のバランスが最終的な仕上がりを左右します。赤外線ランプ(65℃・30〜40分)で焼き付け乾燥を行い、この硬化が艶の安定に直結します。
④ ポリッシュ(磨き)3段階
焼き付け乾燥後、コンパウンド粒度を荒目→中目→細目と変えながら3段階で磨き上げます。ここで初めて「深みのある艶」が出てきます。「クリアを厚く積んでも磨きが甘ければ曇りが残る。逆に言うと磨きで化けるのは、厚みがあって表面を整える余裕があるから」と代表 緒方は言います。
この一連の工程は最低でも半日以上かかります。乾燥を急ぐとクリアが縮んだり後から白濁が出たりするため、焼き付け乾燥の時間は削れません。
実例 — カローラクロス(MXGA10)でクリア複層の効果を確認した案件
先月、一宮市のカローラクロス(MXGA10・アッシュグレーメタリック)のオーナー様から左リアドアの凹み修理でご相談をいただきました。スーパーの駐車場でのドアパンチで、ドア中央部に直径12cm程度の凹みとクリア割れがありました。
アッシュグレーメタリックは、グレーの中に偏光パール粒子が含まれた複合カラーです。正面から見るとスモーキーグレーに見えるのに、光の角度を変えると淡い青みが浮かぶ——この干渉色を既存パネルに合わせながら、クリア層の深みも揃えることが求められました。
| 施工内容 | 詳細 |
|---|---|
| 板金 | 引き出し+パテ整形 |
| カラー塗装 | グレーベース→偏光パールコート |
| クリア塗装 | 2層(ベース+トップ、中研ぎあり) |
| 仕上げ | ポリッシュ3段階 |
| 料金・工期 | ¥59,000 / 3日 |
修理後、オーナー様が無傷の左フロントドアと並べて確認。複数の角度から光を当てながら「どっちが修理した方か分からない」とのお言葉をいただきました。
「1層クリアではこの色の表情は出せない。グレーの中のパール干渉色は、クリアの厚みが深みを決める色です」とPoright代表 緒方(板金塗装一筋16年)は話します。同様の確認はすべての施工後に行っていますが、クリア工程を省いた際に後から色差の指摘が入るケースは、愛知県内の他店から引き継いだ再修理案件を見ていると明らかに増えています。
まとめ
- クリア塗装は保護膜ではなく、光の屈折深度を作る層
- 1層と2層では艶の深みが目に見えて変わる
- 中研ぎ・焼き付け乾燥・3段階磨きがセットで機能してはじめて複層の効果が出る
- 見積書に「クリア工程2回」「中研ぎ」が明記されているかは、仕上がり品質の判断材料になる
実は見積書でクリア工程が省略されている場合、施工時間の短縮(=コスト削減)が目的であることがほとんどです。修理直後は目立たなくても、半年〜1年後に光の当たり方で「境目」が見え始めることがあります。
艶感・仕上がりへのこだわりもLINEでご相談ください
「艶感にこだわりたい」「他店で直してもらったのに何か違う気がする」——そういったご相談も、Poright(愛知県一宮市平安1-6-2)では無料でお受けしています。LINEで写真を送っていただくだけで概算をお伝えできますので、お気軽にどうぞ。
Poright(株式会社Poright)愛知県一宮市平安1-6-2 / 月〜土 9:00-19:00(日祝定休)
著者: 安藤(Poright 事務スタッフ) / 公開日: 2026年6月9日
監修: 株式会社Poright 代表 緒方 博紀(1992年生・18歳から板金塗装一筋、板金塗装歴16年)