「電気自動車でも板金塗装できますか?」
今年に入って、このご質問を月に数件いただくようになりました。一宮市・稲沢市・名古屋市から日産リーフ、日産サクラ、三菱eKクロスEVを乗られているお客様が「板金屋に断られた」「EV対応の工場がわからない」という状況で、一宮の板金塗装専門店Porightを頼ってこられるケースが増えています。
Poright代表 緒方(板金塗装一筋16年)に聞いてみると、「外板の板金塗装自体は通常の車と同じ手順で対応できるケースが多い。ただ、車体のどこを修理するかによって判断が変わる」と言います。この記事では、EVの板金修理でどこが通常と違うのか、Porightが実際に対応した事例も交えながら整理します。
EVの板金修理が通常の車と違う3つのポイント
① 高電圧バッテリーが床下・サイドシル付近に搭載されている
一般的なガソリン車のバッテリーは12V仕様で小型です。一方、EVは走行用に300〜400Vの高電圧バッテリーパックを床下に敷き詰めています。通常のドア・バンパー修理であれば高電圧系に触れるリスクはほぼありませんが、サイドシル付近のパネルを引き出す作業や、ロッカー部分のスポット溶接を外す必要がある事故修理では、バッテリーケースとの位置関係を事前に確認する必要があります。
「知識なく作業すると、バッテリー損傷や感電につながりかねない。だから『怖い』という感覚自体は正しい。ただ、バンパーや外板程度の修理では高電圧系に触れる可能性がほぼないケースも多い」と18歳から板金塗装一筋のPoright代表 緒方は話します。一律に断るのではなく、部位ごとに判断することが重要です。
② ADASセンサーの再調整が必要になる場合がある
最近のEV(ガソリン車も同様ですが)はフロントバンパー・リアバンパー・フェンダー付近にミリ波レーダー・カメラ・超音波センサーが組み込まれています。バンパーを修理・交換した後にセンサー位置がわずかにズレると、自動ブレーキや車線維持機能が誤作動するリスクがあります。メーカー指定の手順での再キャリブレーションが必要になるケースもあるため、業者に対応方針を確認することが大切です。
③ テスラ・一部輸入EVはアルミ骨格で修正技術が異なる
テスラ(Model 3・Y)はアルミ製のボディ骨格を多用しています。スチールとは溶接方式・引き出し技術が根本的に異なるため、アルミ専用の設備と経験が必要です。「電気自動車だから対応できない」のではなく、「アルミ骨格だから専用設備が必要」という点を区別して考えることが重要です。
Porightが経験した実例 — 断られたサクラを修理し、テスラは正直に断った
2026年5月上旬、稲沢市のO様から日産サクラ(B6AW・ホワイトソリッド)のリアバンパー右端の擦り傷でお問い合わせをいただきました。ご連絡前に近隣の2工場に相談されたものの「電気自動車は特殊で対応できない」とどちらも断られたとのことでした。
板金塗装一筋16年のPoright代表 緒方が車両を直接確認したところ、「リアバンパー右端の擦り傷で、センサーはリアカメラのみ。バッテリーエリアとは無関係の部位。ホワイトソリッドの調色・塗装で十分対応できる」と即座に判断。
施工内容は、バンパー樹脂面のペーパー研磨 → プライマー → ソフトパテ補修 → 調色・塗装 → クリアコート → 磨き仕上げの全工程で、¥33,000(税込)・工期1日半。リアカメラはバンパー取り外し時に丁寧に脱着し、装着後に動作確認を実施。問題はありませんでした。O様には「まさかこの価格で直るとは思っていなかった」とお喜びいただきました。
「断られた理由は、工場側の経験不足と判断することへの慎重さだと思います。バンパー程度の修理でEVを怖がる必要はない。ただし、車体骨格・サイドシル・フロアに近い大きな損傷は、話がまったく違う」とPoright代表 緒方は言います。
一方、同時期に名古屋市からテスラ(Model Y)のリアクォーターパネルの大きな凹みのご相談もいただきました。こちらはアルミ製ボディへの対応設備が必要な案件で、Porightでは正直に「当店の設備では完全な対応が難しい」とお伝えし、テスラ認定ボディショップをご案内しました。「できることを正直に言う、できないことも正直に言う」。18歳から板金塗装一筋で積み上げてきた代表 緒方の流儀です。
EV板金を依頼するときに確認すべき3つのこと
① 損傷部位を具体的に伝えてから「対応できるか」を聞く
バンパー・ドア・フェンダーなどの外板修理であれば、多くの板金専門店が対応できます。損傷がサイドシル・フロア下部・フレームに及ぶ場合は、より専門的な対応が必要です。「EVだから断られた」という経験をされた方は、損傷部位を具体的に伝えたうえで再確認することをお勧めします。「リアバンパーの擦り傷で、幅15センチ・樹脂割れなし」のように詳細を伝えることで、対応可否の判断精度が上がります。
② ADASセンサーへの対応方針を確認する
バンパー修理後にセンサーを元の精度に戻す確認手順があるかを聞きましょう。Porightでは、センサー搭載位置の確認と動作確認を施工後に必ず実施しています。精度の不安が残る場合は、メーカーへの再キャリブレーションを正直にお伝えします。
③ アルミボディの車種は最初に車種名を伝える
テスラをはじめ一部の輸入EVはアルミ骨格を採用しています。対応設備の有無を確認するためにも、相談の最初に「テスラです」「輸入EVです」と車種名を具体的に伝えておくのが安心への近道です。断られた場合も「アルミ骨格が理由か、それとも単に経験がないのか」を確認することで、次の相談先を効率よく探せます。
まとめ
- EVのバンパー・ドア・フェンダーの外板修理は、通常の車と同様に対応できるケースが多い
- サイドシルやフロア付近の大きな損傷は、バッテリー・骨格との位置関係の確認が必要
- テスラなどのアルミボディは専用設備を持つ工場でしか完全対応できない場合がある
- 損傷部位を具体的に伝えて、正直に答えてくれる業者を選ぶことが安心への近道
「断られたから諦める」前に、部位と症状を具体的に整理して相談してみてください。愛知県一宮市の板金塗装専門店Porightでは、EV・ハイブリッド車の板金修理のご相談も、できること・できないことを正直にお伝えしたうえで承っています。
お見積り・ご相談は無料です
EV・ハイブリッド車のキズ・凹み修理のご相談は、LINEで写真をお送りください。車種・型式・損傷部位をお伝えいただければ、対応可否と概算料金をその場でご案内できます。
株式会社Poright(ポライト)(愛知県一宮市平安1-6-2 / TEL: 0586-50-2818 / 月〜土 9:00-19:00)
安藤
自動車整備学校を卒業後、整備工場で整備士として7年、その後板金塗装屋として5年、合わせて12年の現場経験を積み、現在は Poright で事務を担当。お客様からのお問合せ対応・お見積り取りまとめ・代表 緒方との橋渡しが日々の仕事。「現場を12年やってきた事務だからこそ、職人の技を分かりやすく伝えられる」をモットーに、Poright のブログを書いています。一宮市生まれ・一宮市育ち。なお Poright の板金塗装作業は、代表取締役の緒方 博紀(1992年生・18歳から板金塗装一筋)がすべて自ら手を入れています。