先日、稲沢市にお住まいの男性オーナー様から、トヨタ RAV4(AXAP54型)のフロントフェンダー下部の凹み修理でご相談をいただきました。コンビニ駐車場の出口段差に左フロントタイヤを乗り上げた際、フェンダーアーチ部分が縁石に接触してしまったとのことでした。見た目は「少し凹んでいる程度」でしたが、アーチプロテクター(樹脂製カバー)も割れており、鉄板部分にも変形が及んでいる状態でした。
SUVはここ数年、愛知県内でも特に売れ筋の車種です。ハリアー・RAV4・CX-5など全高が高くボディが大きいSUVは取り回しやすい半面、低い段差や縁石でのフェンダーアーチへのダメージが増えています。板金塗装一筋16年のPoright代表 緒方は「SUVのフェンダーアーチ修理は、普通のドア板金と構造が根本的に違う」と言います。今回はその理由と修理の全工程をお伝えします。
SUVフェンダーアーチ修理が難しい3つの構造的理由
フェンダーアーチ部分の修理が難しいのには、車種を問わず共通した構造的な理由があります。SUVではとりわけ顕著になる要素が3点あります。
1. 複数素材が重なる構造
SUVのフェンダーアーチ周辺は、フェンダー本体(鉄板またはアルミ)と、樹脂製のオーバーフェンダー(アーチプロテクター)が重なり合う構造です。縁石への接触では双方が同時に損傷するケースが多く、修理か交換かの判断を両部品について個別に下す必要があります。今回の RAV4 では、樹脂アーチプロテクターは破損のため交換、鉄板フェンダー本体は板金修正という判断になりました。
2. 鉄板の変形範囲が外から見えにくい
アーチ部分の鉄板は、表から見えない裏面で複雑に曲げ加工されています。縁石への接触は「点」で力が加わるため、ぶつかった箇所だけでなく力が分散してタイヤハウス内側まで変形していることがあります。脱着してみて初めて「こっちまで来ていたか」と判明するケースは珍しくありません。Poright 代表の緒方は「アーチは外から見える倍以上の範囲が変形しているつもりで確認する」と話します。
3. 「下から見る角度」で仕上がりが決まる
フェンダーアーチは、腰を落として下から見ると目線に入る部位です。上から見た時は塗装が合っているように見えても、洗車でしゃがんだ際に境界線や色差が目立つことがあります。Poright では、アーチ周辺の磨き・仕上げ確認は必ず低い位置からも行うことを基本にしています。
Poright でのRAV4施工:工程と実例データ
車種: トヨタ RAV4(型式: AXAP54 / 2022年式)
カラー: ホワイトパールクリスタルシャイン(カラーコード: 070)
症状: コンビニ段差での縁石接触。左フロントフェンダーアーチ下部に凹み(約15cm × 8cm)、アーチプロテクター(樹脂)に亀裂・割れ。タイヤハウス内側にも鉄板変形あり。
ディーラー見積もり: フェンダー交換+アーチプロテクター新品で ¥112,000(税別)
Porightの判定: フェンダー鉄板は折れ込みなく板金修正で対応可能。アーチプロテクターは亀裂が深く補修より交換が安定と判断しリサイクル部品(同色中古品)を調達。
施工内容: アーチプロテクター脱着 → フェンダー鉄板の裏面からハンマー矯正 → 引き出し微調整 → パテ成形・サンディング → 密着促進剤処理 → 調色(070ベース・3コート)→ 部分塗装・クリア → 乾燥・磨き → アーチプロテクター取付(リサイクル品)
最終金額: ¥58,000(税別) / 工期: 3日(ディーラー比 約¥54,000の節約)
ホワイトパールクリスタルシャインの調色について
今回使用した「ホワイトパールクリスタルシャイン(070)」は、ホワイトベース・パール粒子層・クリアの3コート塗装です。18歳から板金塗装一筋で現場に立つPoright代表 緒方は「白パールは光の当たり具合でパール粒子の粗さが変わって見える。下地ホワイトの隠ぺい力が足りないとパール感が浮き立ちすぎる」と話します。今回の RAV4 は年式が新しく経年劣化が少ない分、調色の誤差が出やすい状態でした。標準ベースに対してパール量をわずかに増やして調整し、3光源下での確認で隣接パネルとの一致を確認してから塗装に入っています。
板金か交換か — フェンダーアーチの判断基準3点
「このフェンダー、直せますか?」という問い合わせは頻繁にいただきます。Poright代表 緒方が判断に使う軸は次の3点です。
判断軸1: 鉄板に「折れ込み」があるか
金属が折れたように鋭く変形している部分は、引き出し・ハンマー修正だけでは元に戻りにくい。繊維方向のような折れがある場合は、パネル交換の方が仕上がりが安定します。凹みと折れの違いは「表面のひずみ方の角度」で判断できます。緩やかなカーブ状の凹みは板金で対応できることが多く、鋭角な折れは慎重な判断が必要です。
判断軸2: サビが侵入しているか
フェンダーアーチ裏面には防錆塗装が施されていますが、強い接触ではそれが剥がれ、鉄板にサビが始まっていることがあります。脱着後に白い粉状の腐食や赤茶けた部分が見えた場合、サビ除去処理を追加した上で修理するか、腐食範囲が広ければ交換を選択します。サビは外から見えない状態で進行しているため、一宮市・稲沢市・江南市など愛知県内でも梅雨前の早期確認が重要です。
判断軸3: 変形がプレスラインをまたいでいるか
ハリアーやCX-5などのSUVは、フェンダーに鋭いキャラクターラインが入っているモデルが多い。このラインをまたいで変形が広がっている場合、ラインを再現する成形技術が求められます。一宮の板金塗装専門店Porightでは、プレスライン再現も手工具を使って対応しています(関連記事:プレスラインを手で再現する — 機械では出せない曲線)。
「修理か交換か」の一次判断は現物を見なければできませんが、この3点が全て問題なければ板金修理で対応できるケースがほとんどです。写真だけでも概況は把握できますので、まずはLINEで送っていただければ代表 緒方が率直な見解をお伝えします。
まとめ — SUVフェンダーアーチ修理のポイント
- フェンダーアーチは「鉄板+樹脂プロテクター」の複合構造で、変形は外から見えている以上に広がりやすい
- アーチ下部の仕上げ確認は「低い角度から」が基準 — 上から見るだけでは色差や境界が見えないことがある
- 板金か交換かは「折れ込み・サビ・プレスラインへの影響」の3点で判断する
- 今回のRAV4実例では、ディーラー見積¥112,000に対し板金修理¥58,000・工期3日で仕上がり
SUVオーナー様は、フェンダーアーチの軽微な凹みを「小さいから大丈夫」と放置しがちです。しかし内側のサビが始まると修理範囲が広がり、費用も工期も増えます。愛知県一宮市・稲沢市・江南市エリアのSUVオーナー様、フェンダーアーチに気になる凹みがあればぜひ一度ご相談ください。
SUVのフェンダーアーチ修理、まずは写真から
損傷部位の写真をLINEでお送りいただければ、板金対応の可否と概算をすぐにお伝えします。ハリアー・RAV4・CX-5・フォレスター、どの車種もお気軽にご相談ください。
株式会社Poright(愛知県一宮市平安1-6-2 / TEL: 0586-50-2818 / 月〜土 9:00-19:00)
安藤
自動車整備学校を卒業後、整備工場で整備士として7年、その後板金塗装屋として5年、合わせて12年の現場経験を積み、現在は Poright で事務を担当。お客様からのお問合せ対応・お見積り取りまとめ・代表 緒方との橋渡しが日々の仕事。「現場を12年やってきた事務だからこそ、職人の技を分かりやすく伝えられる」をモットーに、Poright のブログを書いています。一宮市生まれ・一宮市育ち。なお Poright の板金塗装作業は、代表取締役の緒方 博紀(1992年生・18歳から板金塗装一筋)がすべて自ら手を入れています。