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職人技・舞台裏 2026.05.28

ソウルレッドの調色はなぜ難しいか
Poright代表が語るマツダ独自カラーの現場

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3光源検査灯の下でソウルレッドの試色板をCX-5ボディと比較するPoright職人 — 一宮市の板金塗装専門店

先日、一宮市内のお客様からCX-5(KF2P)をお持ち込みいただきました。右リアドアに10cmほどの凹みと擦り傷があり、お話を伺うと、他店2社で「ソウルレッドは色が合わせられない」と断られたとのことでした。

ソウルレッドは、マツダが独自に開発したプレミアムカラーです。一見すると鮮やかな赤ですが、光の角度によって深紅にもマゼンタ系の明るい赤にも見える「多角度発色」が特徴で、板金塗装の現場では調色難易度が高いカラーとして知られています。

愛知県一宮市の板金塗装専門店「株式会社Poright」の代表 緒方(18歳から板金塗装一筋、現在板金塗装歴16年)が、ソウルレッドの調色がなぜ難しいのか、Porightではどう対応しているかを全工程公開します。

ソウルレッドとはどんな塗料か

マツダがソウルレッドを世に出したのは2015年。CX-3やアテンザを皮切りに、現行のMAZDA2・3・CX-5・CX-60など多数の車種に採用されている人気色です。現在はカラーコード「46V」の「ソウルレッドクリスタルメタリック」が主流で、2016年の改良版からさらに深みが増しました。

一般的なソリッドカラーの塗装は「ベースコート1〜2層+クリア1層」の2段構成が基本です。一方でソウルレッドは「アンダーコート(深さを出す暗色下地)→ルビー系パール層→クリア層」の3〜4層構成で成り立っています。マツダが「TAKUMINURI(匠塗)」と呼ぶ独自塗装工法では、特殊な顔料とパール粒子の配合比率が他社カラーとは根本的に異なります。

この多層構造が調色難易度を押し上げます。「赤に近い色を作る」だけなら塗料を混ぜれば済みますが、ソウルレッドは見る角度・光源によって色が変化するため、ある光源下では合っているように見えても、別の光源では全く違う色に見えることがあります。板金塗装業界でいう「メタメリズム(条件等色)」という現象です。さらに経年劣化でボディ側のソウルレッドも微妙に変色しているため、新品の塗料そのままでは色差が出るのが常です。

ソウルレッドの試色板8枚を並べて3光源下でCX-5ボディと比較する調色確認の様子

Poright代表 緒方の3光源調色 — 全工程

一宮のPorightでCX-5の調色を行う際、Poright代表の緒方はまず3種類の光源下で既存ボディのソウルレッドを観察するところから始めます。自然光(屋外直射)・蛍光灯・LEDという3光源は、メタリック・パール系カラーを評価するための業界標準です。同じソウルレッドでも、自然光では深紅、蛍光灯では明るいレッド、LEDでは少しオレンジ寄りに見えることがある——この「見え方のズレ幅」を頭に入れた上で、調色を開始します。

試色板による比較確認

調色に使う塗料は一般的な赤系顔料ではなく、マツダ純正ベースに近い特殊ルビー系パールを採用しています。実際の調色工程は次の通りです。①試色板(スプレーテスト板)に複数のブレンド比率で5〜10枚塗装、②乾燥後に3光源下でボディと並べて比較、③どの光源下でも最も近い板を選び、そのブレンド比率を確定——この一連の作業だけで2〜3時間かかることも珍しくありません。緒方は「試色板の比較は省けない。ここを飛ばすと後で必ず差が出る」と言います。

CX-5(KF2P)右リアドアの実例

今回のCX-5(KF2P)右リアドアの修理では、試色板を8枚作成した上で調色を確定。板金・パテ処理・調色塗装・クリア2層の工程を経て、施工料金は¥68,000、工期5日でお渡しできました。仕上がりを3光源下でお客様にご確認いただき、「他店で2社断られたのが嘘みたい」とのお声をいただきました。調色の最終判定は、Porightの工場内に設置した3光源検査灯と屋外自然光での2段階確認で行っており、一宮市のPorightではこの設備と確認手順を当然のものとして全件に適用しています。

CX-5(KF2P)右リアドアのソウルレッド調色塗装・クリア仕上げの施工中の様子

他店が断る理由 — 設備と経験の2つの壁

ソウルレッドを断る板金塗装店が多い理由は、主に2つあります。

① 光源設備の問題

調色の正確な評価には3光源(自然光・蛍光灯・LED)を使った確認が必要ですが、この検査灯を整備していない工場では「合っているかどうか」の判断が難しい。自然光だけで合わせても、室内の照明下で色差が目立つというケースが起こります。設備投資の問題と、「なぜ3光源が必要なのか」という理解が現場に根付いているかどうかが、対応可否を分ける一因です。

② 調色経験の積み重ね

ソウルレッドは年式・ロット・経年変化によって微妙に色が異なります。「46V の塗料を使えばいい」という単純な話ではなく、目の前のボディ色に合わせた細かい調整が必要です。この判断は施工件数と失敗経験から積み上げられるもので、数件の施工経験では習得が難しい領域です。板金塗装一筋16年の代表 緒方が「ソウルレッドはパール層の比率の振り幅が狭い。ほんの少しずれると全体のトーンが変わる」と言う通り、微調整の精度が仕上がりを左右します。

Porightでは「試色板での確認→お客様承認→施工」という工程を踏み、色差リスクをお客様と共有した上で進めています。「どうしても微細な差が残るケースはある」と率直にお伝えすることも、長くお付き合いいただくための誠実さだと考えています。

修復完了したCX-5(KF2P)右リアドアのソウルレッドを屋外自然光と3光源灯で最終確認するPoright職人

まとめ — ソウルレッドは「準備」が仕上がりを決める

板金塗装一筋16年のPoright代表 緒方が現場で実感するのは、ソウルレッドの修理は「塗る前の調色確認が仕上がりを9割決める」ということです。3光源設備・特殊ルビー系パール塗料の選定・試色板による徹底的な比較——この準備を省かないことが、他店で断られた案件でも「合う」仕上がりを出せる理由です。一宮市のPoright(ポライト)では、他店で断られたソウルレッドの修理もまずは無料見積もりでご相談いただけます。愛知県の一宮・稲沢・岩倉・江南・名古屋市北部エリアからの案件に対応しています。

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「他店で断られた」でも、まず写真を送ってください

LINE写真1〜2枚から「調色対応可否」と概算をお伝えします。「他店で断られた」という案件でも、セカンドオピニオンとしてお気軽にご連絡ください。
株式会社Poright(愛知県一宮市平安1-6-2 / TEL: 0586-50-2818 / 月〜土 9:00-19:00)

Poright 事務スタッフ 安藤のプロフィール写真
この記事の著者

安藤

株式会社Poright(ポライト)事務スタッフ

自動車整備学校を卒業後、整備工場で整備士として7年、その後板金塗装屋として5年、合わせて12年の現場経験を積み、現在は Poright で事務を担当。お客様からのお問合せ対応・お見積り取りまとめ・代表 緒方との橋渡しが日々の仕事。「現場を12年やってきた事務だからこそ、職人の技を分かりやすく伝えられる」をモットーに、Poright のブログを書いています。一宮市生まれ・一宮市育ち。なお Poright の板金塗装作業は、代表取締役の緒方 博紀(1992年生・18歳から板金塗装一筋)がすべて自ら手を入れています。

監修: 株式会社Poright 代表 緒方(18歳から板金塗装一筋(1992年生・現在板金塗装歴16年))
公開日: 2026年5月28日
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