「格安の板金チェーンに持ち込んだら、フレームが曲がっているから当店では対応できないと言われました。廃車にするしかないんでしょうか」
先日、小牧市のお客様からそんなご相談をいただきました。お車はトヨタ ヤリスクロス(MXPJ15 / 2022年式)。駐車場内でコンクリートポールに左前部を接触させ、フロントバンパーが大きく損傷し、フェンダーにも凹みが入っていました。格安板金チェーン店に持ち込んだところ「フレームに損傷があるため、当店では対応できません」と修理を断られたとのこと。「廃車にする前に、一度だけ他の工場に聞いてみようと思って……」という言葉が印象的でした。
Poright(ポライト)代表の緒方が実車を確認しました。確かにフレームに変形はありました。しかし、「フレーム損傷あり」が即「修理不可」を意味するわけではないのです。
なぜ格安板金店はフレーム損傷を断るのか
格安板金チェーンや一般の整備工場がフレーム損傷の案件を断る理由は、大きく2つあります。
①フレーム修正機という設備の問題
フレーム修正には「フレーム修正機」と呼ばれる専用設備が必要です。車体を強固に固定しながら、変形した骨格部分を計測・引き出し・押し戻す機械で、設備費と専用の作業スペースが相応に必要です。外板修理(凹み直し・塗装)に特化した格安チェーン店の多くはこの設備を持っていません。つまり「修理不可」という言葉の真意が、「フレーム損傷案件は当店の設備では対応できない」である場合がほとんどです。
②技術・リスクへの対応
フレーム修正は、修正後の計測・アライメント確認・残留応力の管理まで含めた高度な工程です。確認が不十分なまま修理すれば走行安全性に影響するため、設備・技術に自信がない工場が断るのは、安全上の判断として合理的でもあります。問題なのは、「うちではできない」が「どこでも修理不可・廃車しかない」として伝わってしまうことです。
一宮の板金塗装専門店Porightでは、アメリカ製のCar-O-Linerフレーム修正機を自社設備として保有しています。18歳から板金塗装一筋のPoright代表 緒方が、フレーム損傷案件の受け入れ判断を毎回実車確認のうえで行っています。
「修理可能」と「本当に修理不可」を分ける3つの判断基準
フレーム損傷の修理可否を判断する際、Poright代表 緒方(板金塗装歴16年)が実車確認で必ず確認するポイントが3つあります。
①変形の「種類」— 折れか、曲がりか
金属の変形は「折れ(キンク)」と「曲がり(ベンド)」に大別されます。急激な角度変化が生じた「折れ」は、金属組織への脆弱化リスクが高く、修正後の強度保証が難しいため、パーツ交換または廃車の判断になることがあります。一方、荷重を受けて弓なりに湾曲した「曲がり」は、修正機による引き出しと計測で対応できることが多い。同じ「フレームに損傷あり」でも、この違いで結論が180度変わります。「折れ」か「曲がり」かは、手で触れて変形の形状と金属の硬さを確認しないと判断できません。
②変形の「範囲」— 局部か、広域か
フロントサイドメンバーの1か所の局部変形と、フロントメンバー全体に及ぶ変形では、作業内容・費用・修復精度が大きく異なります。局部的な変形(修正機の1点または2点アンカリングで対応できる範囲)であれば現実的な修理費に収まります。広域にわたる変形は、費用対効果と修復精度の観点からパーツ交換が合理的になってくる場合があります。
③安全構造への波及 — サブフレーム・Aピラーへの影響
サブフレームやAピラーに変形が及んでいると、衝突時の安全構造への影響が大きくなります。Aピラーは車体剛性と衝突安全性の中核であり、変形があれば修理より交換または廃車を検討すべきケースになります。Porightでは、サブフレームの固定ボルト穴の位置計測と、Aピラーの変形確認を毎回行ったうえで判断しています。
この3点の確認が行われないまま「修理不可」と診断された案件は、株式会社Porightに実車を持ち込んでいただければ改めて判断します。
格安店で断られた実例2件
実例①: トヨタ ヤリスクロス(MXPJ15)/ 小牧市のお客様
損傷箇所:左フロントバンパー大破・左フェンダー凹み・左フロントサイドメンバーに局部変形。格安板金チェーンでは「フレーム損傷のため対応不可」と診断されていました。
Poright代表 緒方が実車確認:サイドメンバーの変形は「曲がり」で、折れや亀裂なし。サブフレームのボルト穴位置のズレは許容誤差(±2mm)内であり、Aピラーへの影響も確認されず。修正機による局部修正(1点アンカリング)で対応できると判断しました。
施工内容:フレーム修正機によるサイドメンバー修正→バンパー交換→フェンダー板金・下地処理→調色塗装・クリア。施工後にアライメント計測を実施し、走行への影響がないことを確認してお返しました。
施工料金:¥112,000 / 工期6日
「廃車にするしかないと思っていたのに」とお客様におっしゃっていただいた案件です。
実例②: スズキ ソリオ(MA36S)/ 稲沢市のお客様
後退中に電柱にリア直撃。リアバンパー大破・リアゲート凹み・リアメンバー入口部分に局部変形。格安ショップで「フレームが歪んでいるため当店では修理不可」と言われた状態でした。
Poright代表が確認:リアメンバーの変形は1か所の局部的な「曲がり」のみで、周辺への波及なし。リアゲートはパネル交換より板金修理で対応できる状態。フレーム修正(リアメンバー修正)→リアゲート板金→バンパー交換→調色塗装の施工で対応しました。
施工料金:¥86,000 / 工期5日
まとめ — 「修理不可と言われたら」まず実車を見せてください
「フレーム損傷あり・修理不可」という判断は、設備がない工場の「うちではできない」が「どこでも無理」として伝わったケースが少なくありません。変形の種類(折れか曲がりか)・範囲(局部か広域か)・安全構造への波及の3点を手で触れて計測することで、修理可能な範囲は広がります。
愛知県一宮市の板金塗装専門店・株式会社Porightでは、フレーム修正機を自社保有し、Poright代表 緒方(18歳から板金塗装一筋・板金塗装歴16年)が毎回実車確認のうえ判断します。本当に修理不可の場合はその理由を正直にお伝えします。「他店に断られた」案件もまずはご相談ください。
フレーム損傷のセカンドオピニオン、無料でお見積りします
フレーム損傷を含む修理のご相談・お見積りは無料です。LINEで車の写真と他店での断り理由をお送りいただければ、対応可否の概算をお伝えできます。他店の見積書がある場合はそちらも一緒にご提示ください。
株式会社Poright(愛知県一宮市平安1-6-2 / TEL: 0586-50-2818 / 月〜土 9:00-19:00)
安藤
自動車整備学校を卒業後、整備工場で整備士として7年、その後板金塗装屋として5年、合わせて12年の現場経験を積み、現在は Poright で事務を担当。お客様からのお問合せ対応・お見積り取りまとめ・代表 緒方との橋渡しが日々の仕事。「現場を12年やってきた事務だからこそ、職人の技を分かりやすく伝えられる」をモットーに、Poright のブログを書いています。一宮市生まれ・一宮市育ち。なお Poright の板金塗装作業は、代表取締役の緒方 博紀(1992年生・18歳から板金塗装一筋)がすべて自ら手を入れています。